メンタルヘルスの問題で休職・退職が相次ぐ公務員の職場に思うこと

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最近、私の職場で「また休職者が出たらしい」「今度は退職だって」という話を聞くことが本当に増えてきました。

公務員といえば“安定している仕事”というイメージがありますが、実際の現場ではむしろ疲弊していく人が増えているのが現実です。

仕事そのものが大きく変わっていないように見えても、人員不足や業務量の増加など、見えない負担は確実に積み重なっています。

その結果、心が折れてしまう職員が後を絶たず、「自分は大丈夫だろうか?」と不安になる瞬間も少なくありません。

なぜ今、公務員の職場でメンタル不調が増えているのでしょうか。

目次

休職・退職が相次ぐ公務員の現場で起きていること

私の職場で休職者や退職者が続出しています。
いったい何が起こっているのでしょうか。

減る人員と、増える業務量

ここ数年、職場にいる人数は確実に減っています。

人件費抑制に伴う定数削減の影響で「人員を増やさない」方針が続き、欠員が出ても補充が追いつかない。そんな状況が当たり前になってきました。

  • 定数削減で人は増えない
    予算や政策の都合でポストが増えないため、休職や退職が出てもすぐに補充されません。その結果、残った職員に負担が集中します。
  • 仕事は増えているのに、担当者は減るばかり
    法改正やデジタル対応などで業務量は増加。にもかかわらず担当者は減り、一人あたりの担当範囲が広がっています。
  • 職場全体の余裕がなくなっている
    余裕のないスケジュール、交代要員の不在、急な欠員への対応、こうした負荷の蓄積が職場の疲弊を招き、ミスや二次的なトラブルも増えやすくなります。

給料が上がらない中での負担増

「高給・安定雇用」という古いイメージは薄れつつあります。

近年は民間との待遇差が縮小し、給料面の魅力が以前ほど大きな引力ではなくなっています。

その一方で仕事量や責任は増え続け、報酬との乖離に不満を抱く職員が増えています。

  • 民間との差が縮まり魅力も減少
    若い世代を中心に、給与やキャリアパスで民間に流れる傾向が強まっています。公務員の“安定だけ”では釣り合わないと感じる人が増えています。
  • 責任と量に対して賃金が見合わない感覚
    担当業務の幅が広がり、ミスの責任も重くなっているにもかかわらず、手当や昇給が追いつかない。仕事量と報酬のバランスが崩れていると実感する職員が多いです。
  • 優秀な人材確保が困難
    公務員のやりがいや待遇面の魅力が以前よりも薄れた結果として、優秀な人材の確保が難しくなっています。結果として、高難度の仕事を処理できる職員が限られ、業務が一部の職員が担わざるを得ない状況になっています。

やりがいを感じにくい業務構造が、メンタルを蝕む

仕事量やそれに見合う給与の問題だけでなく、仕事内容そのものに公務員特有の問題があります。

達成感の薄いルーティンワーク

公務の多くは継続的・ルーティン的な業務が中心で、「ここまでやったら終わり」と明確に区切れる仕事が少ないことが問題です。

日々の業務をいくらこなしても、終わりが見えない・完了感が得られないと、達成感は徐々に薄れていきます。

  • どれだけ頑張っても“完了しない”業務
    例えば問い合わせ対応や継続的な事務処理、長期的な案件のフォローなどは完了の定義が曖昧で、達成感が得られにくいです。
  • 形として成果が見えにくい
    住民サービスの維持や手続きの裏方作業など、手がけた成果が数字や外部の評価として見えにくいため、自分の仕事が誰かに届いている実感が湧きにくくなります。

成果主義ではないからこそ、全体的にやる気が出ない

公務員の評価制度は年功や役職ベースであることが多く、個人の努力や成果が給与や評価に直結しにくい構造があります。

そのため、頑張って多くの仕事をこなしても、目に見える報われ方をしないと感じる人が増え、「やる気が出ない」という空気が広がりやすくなります。

  • 頑張っても評価されない
    主体的に動いても評価制度に反映されにくく、努力と見返りの乖離がモチベーション低下を招いている
  • やる気のない職員と同じ給料
    成果に関係なく同じ報酬体系だと、業務量や質で差をつけるインセンティブが働きにくい

その結果、職場全体に「どうせやっても…」という諦めに近い空気が蔓延します。

この組織の問題に対して無理に踏ん張り続けると精神的な消耗が積み重なり、メンタル不調につながるリスクが高まる、これは決して大げさな話ではありません。

結局、しわ寄せは一部の職員に集中する

待遇面や評価制度の問題から、結局一部の職員に業務が集中しがちとなっています。

まじめな人・できる人ほど負担が増える

公務員の職場では、どうしても「まじめに働く人」「ある程度仕事ができる人」に業務が集中しがちです。

仕事を任せても安心、トラブルも少ない。そう思われてしまうほど、負担は増えていきます。

  • 仕事ができる人に業務が偏る
    「あの人ならできるだろう」と判断されると、新しい担当や重い案件が自然と回ってきます。能力があることが、逆に自分の首を絞めてしまう状況です。
  • 心身の疲労は積み重なり限界に
    気づけば自分だけが忙しい、休む間がない…そんな状態が続くと、疲労は確実に蓄積します。真面目な人ほど頑張りすぎてしまい、ある日突然メンタルの限界を迎えてしまうのでしょう

職場の“見えない不公平”がメンタルを削る

頑張る人に仕事が偏り、頑張らない人はそのまま…この構造は、多くの公務員が心の中で抱えている不満です。

しかし、組織の性質上、改善が難しいのも現実です。

  • 不満を言っても改善されにくい構造
    制度や配置の柔軟性が低く、担当替えや業務分担の見直しも遅れがち。問題があってもすぐに改善されることは多くありません。
  • 休職者・退職者が出ても補充がない悪循環
    人が減れば残った人に負担がかかり、その負担がさらに新たな休職者を生む。補充がないままこのサイクルが回り続けるため、職場全体の疲弊が深刻化していきます。

こうした“見えない不公平”が静かに、しかし確実にメンタルを削っていきます。

真面目に働く人ほど割を食う構造は、早めに自分を守る意識を持たなければ、心身の限界を迎えてしまいかねません。

他人事ではない。自分自身のメンタルも危ういと感じている

若い頃の私は「自身がメンタルヘルスで悩むことはないだろう」と思っていましたが、どうやらそれは間違いでした。

心が折れるのは一瞬

これまで「自分は大丈夫」と思ってきたものの、最近はふとした瞬間に「これは危ないかもしれない…」と感じることが増えてきました。

頭痛がしたり、夜なかなか寝付けなかったり、心から笑う頻度が減ってきたり…以前にはなかったストレスサインが増えているのを実感します。

  • 最近、自分も「これは危ない」と思う瞬間が増えた
    疲労やストレスが積み重なり、集中できない・眠れない・気分が沈むなどの兆候が出てきています。
  • 休職者の話が、もう“遠い誰か”ではない
    周りの同僚が次々に休職していく中で、「次は自分かもしれない」という不安が現実味を帯びてきます。

制度はあるが使うにはハードルが高い

公務員には休職制度や産業医への相談窓口が整備されています。

しかし、実際に利用しようとなると「人事担当に情報が筒抜けとなっているようで、思うように使えないというのが本音です。

  • 休職制度や産業医はあるが、実際は使いにくい
    制度を利用すること自体が“勇気のいる選択”になっており、頼れるはずのものが精神的なハードルになってしまっている
  • だからこそ、無理しがちで悪化しやすい
    「自分はまだ大丈夫」と無理を続けることで、気づいたときには深刻な状態になっているケースも多いです。

こうした状況に身を置いていると、「他人事ではない」という思いが日に日に強くなります。

心身の限界は、自分が思っているよりも早く訪れるのかもしれません。

将来を守るために、転職・副業準備を始めたい

これまで休職者や退職者の状況を見聞きしていると、組織は個人を守ってくれないことを実感するようになりました。

休職や退職時にもらえる手当や給付金の制度はもちろんありますが、「休職や退職に至る前に、人事が適切に動いているか?」と問われれば、そのようには見受けられません。

公務員だからこそ、早めのキャリア防衛が必要

「公務員は安定している」と言われる一方で、心身を壊してしまえばその安定すら失われてしまいます。

今の働き方に限界を感じているからこそ、身体を壊す前に“将来を守る準備”を始めなければいけないと思うようになりました。

  • 体を壊してからでは遅い
    休職や退職のリスクを身近に感じる今だからこそ、健康を損なってから動くのではなく、元気なうちに選択肢を広げる行動が必要です。
  • 市場価値を高める準備が必要
    公務員の経験だけでは、民間で通用しにくい部分もあります。スキル習得や情報収集を進めることで、将来の選択肢を増やせます。

副業・スキル習得は心の保険になる

副業やスキル習得は「収入を増やす」だけでなく、「精神的な逃げ道をつくる」という意味でも大きな価値があります。

「今すぐ辞めなくても、いざとなれば別の道がある」という安心感が、日々のストレスを軽減してくれます。

  • 「逃げ道」があるだけで、精神的に楽になる
    選択肢があると、職場のストレスに対して必要以上に追い込まれなくなります。
  • 法律に抵触しない方法で始められる
    公務員でもできるお金の稼ぎ方はたくさんあります。まずは小さく行動して、自分のペースでスキルを積み上げられます。

今の職場で無理をし続けるよりも、未来への備えを少しずつ進めていくほうが、心の余裕も生まれます。

自分の人生を守るためにも、早めの準備は決して無駄にはなりません。

まとめ|自分を守れるのは自分だけ

公務員の職場環境は、かつてのような「安定して余裕がある場所」ではなくなってきています。

人員不足や業務の複雑化、評価されにくい環境など、現場が抱える厳しさは確実に増しています。

  • 公務員の職場は今、確実に厳しさを増している
    休職者・退職者が増え、それを補う体制も整わないまま、職場全体が疲弊しています。
  • 休職・退職は他人事ではなく、自分も同じ状況になり得る
    周囲の変化を見て、「次は自分かもしれない」と感じる場面も少なくありません。
  • 将来を守るために、副業・転職準備を始める価値は大きい
    選択肢を広げることは、精神的な安心にもつながり、日々の負担を軽くしてくれます。

無理しすぎて心身を壊してしまえば、取り返しがつかなくなることもあります。だからこそ、自分の人生を守るために、今できる準備を少しずつでも進めていくことが大切です。

どうか、自分の心と身体を第一に。あなたを守れるのは、あなた自身しかいません。

私も自分の心と身体を大事にしたいと思います。

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