メルカリって副業なの?
勤務先にバレたらやばい?
世の中の風潮として副業が解禁されてきたとはいえ、まだまだ副業が認められていなかったり、上司にチクチク言われたりすることもあるでしょう。
副業がOKでも”勤務先にバレずに行いたい気持ち”は私も非常によくわかります。以前の私もそうでした。
私は元行政職員でしたが、法律や人事院規則などの公務員規則を読み込み、「副業バレの理由と回避方法」を調べつくし、就業しながら副業を行った経験があります。
今では、ブログ専業でゆとりある生活をおくれるようになりました。
この記事を書いた人
この記事では、
- そもそもメルカリでの販売は副業になるか
- メルカリでの販売をバレずに行う方法
- 公務員でも法律に抵触しない範囲でメルカリで収益を得る方法
を紹介します。
メルカリでの販売は副業禁止にあたる?
メルカリでの販売と副業禁止について
メルカリでの販売が副業に当たるかどうかは「販売するモノ」によって異なります。
副業に当たらないのは、不用品の売買です。一方で、メルカリでの転売やハンドメイド販売は副業と見なされるでしょう。
- 副業ではない
-
不用品の売買
- 副業に該当
-
転売・ハンドメイド販売
不用品をメルカリで販売する行為は、あくまで不用品の処分の方法の一つであるため副業とみなされません。税法上においても儲けとみなされないため非課税扱いとなり、確定申告の対象外です。
※ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個の価額が30万円を超えるものは除きます。
(国税庁:譲渡所得の対象となる資産と課税方法)
一方で、転売やハンドメイド販売は「労働の対価として収益を得る」行為であるため、一般的に副業に該当するでしょう。
なお、メルカリでの販売が勤務先の副業禁止にあたるかどうかは、勤務先の就業規則によります。
副業禁止の範囲も千差万別で、
- 副業の一律禁止
- 申請すれば副業OK
- 競合企業への就業禁止
- 利益相反となる副業は禁止 など
具体的な副業制限の範囲は、勤務先の就業規則に定められているため確認してみてください。
ちなみに、法律で副業が制限されている公務員でも、メルカリでの販売を行う方法があります(詳細は後述します)。
副業に対する日本の法規
そもそもの副業の是非として、最高法規である日本国憲法で「職業選択の自由」が保証されており、法律により副業が制限されているのは、公務員とみなし公務員の一部のみです。
副業解禁の流れを受けて、厚生労働省は2023年7月に『モデル就業規則』を改訂しました。
最近は、合理的な理由なく一律に副業を禁止する風潮は薄れてきていますが、雇用主の立場から考えると、
- 企業の情報漏洩
- 従業員の健康管理
- 業務効率の低下
などの観点から、一定程度の制限がかけられる場合が多く、まだまだ副業解禁までの道のりは遠いようです。
メルカリ特有の副業バレの理由
副業に関する調査によると、副業する者の61.3%は勤務先へ届出せずに副業しているそうです。
出典:副業者の就労に関する調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)
申請せずに副業した場合、メルカリでの販売は副業バレするのでしょうか。この章では、メルカリでの副業バレの理由と解決策について解説します。
メルカリ販売特有の副業バレの理由は、以下の3つです。
- 特商法で定められた記載事項
- 発送元の氏名・住所
- 画像
それぞれ解説していきます。
特商法に基づく表記
メルカリshopを開設してネットショップでモノを販売する場合は、「特定商取引法(特商法)で定められた記載事項からバレる可能性があります。
ネットショップでの販売は特商法の規制対象となり、販売者の「氏名」「住所」「電話番号」などを開示しなければなりません。
とはいえ、対処法があるためそんなに深刻に捉える必要はありません。
特商法に基づく表記で副業バレしないためには以下の2つを考慮しましょう!
- 個人情報の開示が必須ではないフリマアプリのメルカリを利用する
- 特定商取引法の規制対象となる「販売業者」に該当しない範囲で行う。
個人情報の開示が必須ではないフリマアプリのメルカリを利用する
実は、一定範囲内のフリマアプリやインターネット・オークションは特定商取引法の規制対象外のため、個人情報を非開示で行うことができます。
メルカリは「特定商取引法に基づく表記」は不要としているので、メルカリshopではなくメルカリであれば「特定商取引法に基づく表記」での副業バレは回避できます!
ちなみに、メルカリのサイト内に以下のように記載されていました。
- メルカリ
-
『メルカリ』は、フリマアプリであるため、特定商取引法の対象外です。
運営者情報として出品者の個人情報を提供する必要はありません。 - メルカリshop
-
メルカリShopsをはじめとしたネットショップ運営者は、個人情報の開示が義務付けられており、すべてのネットショップで適用されています。
特定商取引法の規制対象となる「販売業者」に該当しない範囲で行う。
フリマアプリでも要件を満たせば特商法の規制対象である「販売業者」とみなされるため注意してください。
消費者庁のガイドラインには、「営利の意思を持って反復継続して販売を行う場合は、法人・個人を問わず事業者に該当し、特定商取引法の規制対象となる」と記載されており、とりわけインターネット・オークションにあたっては以下が目安となるようです(私の解釈はフリマアプリもここに該当すると認識していますが違っていたら教えてください)。
インターネット・オークションで販売業者とみなされる基準
- 過去1ヶ月に200点以上、又は一時点において100点以上の商品を新規出品している場合
- 落札額の合計が過去1ヶ月に100万円以上である場合
- 落札額の合計が過去1年間に1000万円以上である場合
- その他、特定のカテゴリーごとに定める条件
規制対象の詳細な範囲は消費者庁のガイドラインをご確認ください。
消費者庁:インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン
メルカリ販売ではなかなか届かなそうな基準なので、過剰に心配する必要はなさそうかな?
メルカリの販売画面を見ると、本来個人情報の開示が必要に思える方(販売業者に該当するような方)でも、非開示のままで運営している方が多い印象です。
きっと法律を知らずに運営している方もいると思うのですが本来NGです。
特定商取引法の規制対象となる「販売業者」として運営したい場合の解決策
メルカリではなく「メルカリshopを開設して販売業者として商品を販売したい場合」の副業バレの回避方法にはどのような解決策があるでしょうか?
メルカリshopでは「氏名」「住所」「電話番号」を開示することになりますが、副業バレの可能性を非常に低くする方法が2つあります。
- 商号+バーチャルオフィスの利用
- 氏名:商号を表記
- 住所・電話番号:バーチャルオフィスを利用
- 表記を省略(請求があれば開示)
- “請求があり次第、遅滞なく開示する”ことを条件で、表記を省略できる
- 商号+バーチャルオフィスの利用
-
氏名欄には、個人事業主は「戸籍上の氏名」または「商業登記簿に記載された商号」を表記する必要があります。
手間と費用(3万円程度)はかかりますが、商号登録をして「商号」を表記する方法があります。
住所・電話番号欄には、バーチャルオフィスを利用することで、自宅以外の場所・番号で表記することができます。
主なバーチャルオフィス- GMOバーチャルオフィス(月額660円〜)
- NAWABARI(月額1,100円〜)
- Karigo(月額3,300円〜)
バーチャルオフィスは、後述する商品発送時にも活用できます。
- 表記を省略(請求があれば開示)
-
消費者庁のホームページによると『消費者から請求に対して「遅滞なく」提供できる旨を表示し、実際に提供できる措置を講じている場合には、「氏名」の表示を省略できる』と記載されています。
つまり、
氏名、住所、電話番号欄に「お客様からの請求があり次第、遅滞なく提供します」と記載しておくのです。
インターネット検索ではヒットしなくなり、実際に個人情報の開示を請求してくる人なんてめったにいないですし、開示請求した人が知り合いである可能性も非常に低いと思います。
副業バレの可能性は限りなく低くなるものの、100%副業バレを回避する手法にはならないでしょう。
その他、特定商取引法に関する注意点を質疑形式で記載しました。
【特定商取引法に基づく表記に関するFAQ】
- 「氏名」はニックネームじゃダメなの?
-
個人事業主は「戸籍上の氏名」または「商業登記簿に記載された商号」を表記しなければなりません。
法人は「登記簿上の名称」と「代表者(または責任者)」を記載します。
ニックネーム、屋号、サイト名での表記は認められていません。
なお、フリマアプリのメルカリはニックネームで問題ありません。
- 個人情報非開示サービスは使えないの?
-
メルカリShopで提供されている個人情報非開示サービスの対象は「住所」と「電話番号」に限られます。
氏名からバレないためには商号登録するか、特商法の規制対象外で行うのが良いでしょう。
- バーチャルオフィスの利用を勧められたけど?
-
バーチャルオフィスの利用により、「住所」「電話番号」は自宅外に設定することができますが、「氏名」から副業バレする可能性があります。
氏名からバレないためには商号登録するか、特商法の規制対象外で行うのが良いでしょう。
- 特商法に基づく表記は省略できるって聞いたけど本当?
-
消費者庁のホームページによると、消費者から請求に対して「遅滞なく」提供できる旨を表示し、実際に提供できる措置を講じている場合には、「氏名」の表示を省略できる、と記載されています。
消費者からの請求によって、広告表示事項を記載した書面又は電子メール等を「遅滞なく」提供することを広告に表示し、かつ、実際に請求があった場合に「遅滞なく」提供できるような措置を講じている場合には、事業者の氏名(名称)の表示を省略することも可能です。
つまり、氏名欄に「請求があり次第、電子メール等で提供します」と表示することが可能ということです。しかし、お客様からの請求があった場合は開示しなければならないため、副業バレを完全に防ぐことはできません。
氏名の開示請求があることはめったにないとは思うけど…
発送元の氏名・住所
商品発送の際に、発送元の氏名・住所・電話番号を記載する欄で個人情報を開示してしまうと、仮に購入者が知人だった場合は副業バレします。
たまたま購入者が知人で副業バレする可能性は非常に低いとは思いますが、その他の影響として、個人情報の開示によって、
- 嫌がらせ・迷惑行為
- ハードクレーム
- ストーカー被害
などの懸念も考えられます。
商品発送時の個人情報を守るためには、「匿名配送」や「バーチャルオフィス」のサービスを利用することで回避できます。
実はメルカリには匿名配送の機能がありますので、商品配送時の副業バレはあまり気にしなくてよいでしょう。
メルカリの匿名配送
主なバーチャルオフィスのサービスは以下のとおりです。
- GMOバーチャルオフィス(月額660円〜)
- NAWABARI(月額1,100円〜)
- Karigo(月額3,300円〜)
バーチャルオフィスは、ネットショップに記載する「住所」や「電話番号」の表記にも活用できます。商品発送時の「氏名」は屋号を記載して送っている人が多いようです。
画像
メルカリの販売では、商品を撮影して販売サイトやブログ・SNSなどに掲載することがあります。
掲載する写真が顔出しであれば当然身バレしますし、顔出し写真を掲載していなくても、鏡・ガラスに映り込んだ姿や風景から身バレや居住地がバレる恐れがあります。
アイドルの瞳にあった景色から住所が特定されて犯罪につながってしまった恐ろしい事件もありましたね。
写真を掲載する際は、映り込んでいるモノに自分の姿が映っていないか、背景から居住地が特定されることがないかなど注意しましょう!
その他、一般的な副業バレの理由
メルカリ販売に限らず、一般的な副業バレの理由は以下6つです。
- 社会保険の調整
- 住民税の増額
- 副業の赤字申告
- 現場・証拠を見られる
- 口コミ・噂
- SNS
以下の記事で詳しく解説していますが、当ページでも簡単に解説していきます。
社会保険の調整
給与所得ではない(企業に雇用されない個人で行う)メルカリでの販売では、社会保険の調整は行われないため心配無用です。
会社に雇用されて給与をもらう副業は注意が必要です。
住民税の増額
副業による所得アップにより住民税の納税額が増えることで勤務先に副業を疑われる場合があります。
勤務先に副業を疑われないためには、副収入にかかる住民税を自分で納付すれば問題ありません。
手続きは”確定申告“で行います。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
副業の赤字申告
副業の赤字申告は、勤務先で納める納税額に影響して勤務先に副業を疑われる場合があります。
現場・証拠を見られる
販売サイトのスマホ画面を見られたり、メルカリ販売に関する書籍を見られたら、副業を疑われる可能性があります。
特に勤務先には余計なものは持っていかない、見られないように注意しましょう!
口コミ・噂
会社の同僚や知人に話さないことはもちろんのこと、配偶者や我が子が余計なことを言いふらさないように家庭内でも注意しておきましょう!
SNS
仮名でアカウントを使っていたとしても、SNSのアカウントが電話帳と自動連携されていたことによってバレるケースもあります。
また、LINEで誤送信する恐れもあるので、お酒を飲んだ時でも誤送信しないよう日頃から注意が必要です。
メルカリ販売をバレずに行う方法(まとめ)
前段で紹介したとおりですが、バレずにメルカリ販売を行う方法をまとめる以下のとおりです。
【メルカリ販売特有】
- 特定商取引法に基づく表記に注意
- メルカリshopではなく、個人情報の開示が不要なメルカリを利用する
- 販売業者に該当しない範囲で実施する
- 発送時の個人情報流出に注意
- 匿名配送を利用する
または、バーチャルオフィスを利用する
- 匿名配送を利用する
- 画像からの身バレに注意
【一般事項】
- 住民税は自分で納付
(確定申告で手続き) - 赤字申告はしない
- 証拠を見られない
- スマホに覗き見防止フィルタを貼る
- 書籍にはブックカバーをかける
- 証拠物(書籍など)の置き忘れに注意
- 他言しない(家族も注意!)
- SNSのアカウントは匿名とする
- SNSのアカウントは専用メールアドレスで作成する
一般的に気をつけることばかりで、大きな懸念事項はありません。
公務員が法律に抵触しない範囲でメルカリ販売を行う方法
公務員は法律により副業が制限されていますが、この法制限の範囲を細かく確認したことはありますでしょうか。
公務員といっても、国家公務員や県職員・市職員、警察・消防・自衛隊、教員など多くの職がありますが、いずれの公務員も制限されている副業の範囲は以下の3つです。
公務員の副業制限の範囲
- 役員兼業
- 自営兼業
- 有報酬の継続的な副業
上記に当てはまらないようにメルカリ販売を行う方法があります。
- 不用品の売買
- 家業のの手伝い
不用品の売買
前述のとおり、不用品をメルカリで販売する行為は、あくまで不用品の処分の方法の一つであるため副業とみなされません。
税法上においても儲けとみなされないため非課税扱いとなり、確定申告の対象外です。
※ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個の価額が30万円を超えるものは除きます。
(国税庁:譲渡所得の対象となる資産と課税方法)
家業の手伝い
例えば、実家が居酒屋の公務員が「家業の手伝い」を無報酬で行っても副業にはなりません。
同じように配偶者名義で、配偶者が主となって運用しているのであれば、無報酬で手伝ったとしても副業とはなりません。
ただの手伝いです。家事と変わりませんよね。
なお、副業制限に抵触しなくても、公務員の3大義務(信用失墜行為の禁止・守秘義務・職務専念義務)を怠れば、懲戒処分となる可能性があるので注意してください。
副業制限の範囲の詳細やOKとなる条件などは、以下の記事を参考にしてください。
配偶者のアカウントでも、公務員のあなたが主体となって運用している場合、副業とみなされるおそれがあるので注意してください
メルカリ販売の収益と確定申告
メルカリ販売収益の所得区分
メルカリ販売にかかる所得の区分は、「雑所得」または「事業所得」となります。
「事業所得」となるのは事業規模で行う場合であって、一般的には開業届けを提出した個人事業主やフリーランスの方の所得が事業所得に当てはまります。
勤務先から給与をもらっている会社員が副業としてメルカリ販売をするのであれば、一般的には「雑所得」に該当することがほとんどです。
なお、不用品の売買による収益は確定申告不要です。
確定申告の条件
間違えやすいのですが、副収入が20万円を超えていても、副業にかかる経費を差し引いた残りの金額(所得)が20万円以下であれば確定申告は必須ではありません。
商品の仕入れの費用や交通費も経費となります。
確定申告の詳細は以下の記事を参考にしてください(住民税を”自分で納付”のチェックも忘れずに!)。
まとめ
メルカリ販売はそもそも副業に該当しない場合があります。
また転売やハンドメイド販売としてメルカリで販売する場合でもバレずに行うことが可能です。
さらに、公務員であっても副業制限に抵触しない範囲でメルカリ販売を行うことができます。
いまの働き方や金銭事情に悩みを抱えているのであれば、法令や規則に違反しない範囲で副業を始めてみて、会社に縛られない自由な働き方の一歩を踏み出しましょう。
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