
住民税で副業がバレると聞いたから副業はしていません



副業バレの回避策があるみたいだけど、完ぺきに防げるわけではないんでしょ?
「副業は住民税でバレる」という話を耳にしたことがある方も多いでしょう。
しかし、これは正確には「住民税をきっかけに副業を疑われる可能性がある」という表現が正しいです。
この記事では、副業と住民税の仕組みをわかりやすく解説し、副業バレの誤解を解消しつつ、副業を続ける際に知っておくべき税務知識を紹介します。
住民税で副業がバレるは本当なの?
住民税で副業がバレるわけではありません。
正確に伝えるとすれば「住民税をきっかけに副業を疑われる可能性がある」という表現が正しいです。



「バレる」と「疑われる」って一緒じゃないの?



ニュアンスが異なります。「推測」と「確証」の違いですね
- 疑われる
-
まだ証拠はなく、相手が「怪しい」と感じていること
- バレる
-
秘密や嘘が完全に明るみに出ること
住民税ではあくまで「疑われる」だけ。しかも疑われる可能性やそれを追求されるリスクは高くありません。
疑問を解消していくために、まずは住民税の仕組みと、副業が疑われる理由を把握しましょう。
住民税の仕組みを正しく理解しよう
住民税とは?
住民税は、前年の所得に応じて市区町村と都道府県に納める地方税です。
住民税の納税額は課税所得の約10%。
つまり「住民税額は所得の金額に応じて増える」ということをまずは覚えてください。
もし副業で100万円の所得があると、本業分の住民税にプラスして約10%の10万円程度の住民税を支払う必要があるということです。
本業の課税所得:300万円の場合
住民税額:約30万円
本業の課税所得:300万円+副業所得100万円
住民税額:約30万円+約10万円=計40万円
納税方法の違い(特別徴収と普通徴収)
会社員や公務員の場合、住民税は勤務先の給与から天引きされて居住地の自治体に納付される方法(住民税の「特別徴収」と言います)で支払われます。
住民税の「特別徴収」は、法律(地方税法)に定められた納税方法であるため、給与に対する所得の納税方法は変更することができず、必ず給与からの天引きによって納税されることになります。
ここでポイントとなるのは、住民税の特別徴収が義務付けられているのは、給与所得に対する住民税であるということです
一方で、給与所得以外の所得に対する住民税は、通常は本業給与分とまとめて給与から天引きされるものの、自身で申告をすれば自分で納付する方法(住民税の「普通徴収」と言います。)を選ぶことができます。
例えば、副業をしている場合、本業の給与所得にかかる住民税は本業給与から天引き(特別徴収)され、副業の所得にかかる住民税額は自分で納付(普通徴収)することが可能です。
(参考)地方税法 第321条の3
(給与所得に係る個人の市町村民税の特別徴収)
第三百二十一条の三 市町村は、納税義務者が前年中において給与の支払を受けた者であり、かつ、当該年度の初日において給与の支払を受けている者(以下この条及び次条において「給与所得者」という。)である場合においては、当該納税義務者に対して課する個人の市町村民税のうち当該納税義務者の前年中の給与所得に係る所得割額及び均等割額の合算額は、特別徴収の方法によつて徴収するものとする。ただし、当該市町村内に給与所得者が少ないことその他特別の事情により特別徴収を行うことが適当でないと認められる市町村においては、特別徴収の方法によらないことができる。
2 前項の給与所得者について、当該給与所得者の前年中の所得に給与所得以外の所得がある場合においては、市町村は、当該市町村の条例の定めるところによつて、当該給与所得以外の所得に係る所得割額を同項本文の規定によつて特別徴収の方法によつて徴収すべき給与所得に係る所得割額及び均等割額の合算額に加算して特別徴収の方法によつて徴収することができる。ただし、第三百十七条の二第一項の申告書に給与所得以外の所得に係る所得割額を普通徴収の方法によつて徴収されたい旨の記載があるときは、この限りでない。
普通徴収できる副業・できない副業
前述のとおり、給与所得は副業であっても普通徴収は選べません。つまり、パートやアルバイトの副業は特別徴収、しかも主たる給与から天引きとなります。
一方、給与所得以外の副業は、通常は特別徴収であるものの、確定申告時に申請するだけで普通徴収を選択することが可能です。
上記の違いを表にすると以下のようにまとめることができます。
住民税の納付方法 | |
---|---|
本業 | 本業給与から天引き |
副業 (給与所得) | 本業給与から天引き (主たる給与から) |
副業 (給与所得以外) | (普通徴収・特別徴収) | 自身で選択可能
パートやアルバイトの給与にかかる住民税は、主たる給与からまとめて天引きされるので気を付けましょう。



アフィリエイトや動画編集、Webライターなどの副業は、住民税の普通徴収を選ぶことができますね
- アフィリエイト・Webライター
- YouTube・動画編集
- ネットショップ・ハンドメイド販売
- せどり・転売
- 不動産投資
- FX・仮想通貨取引 など
- パート・アルバイト
- その他、給与をもらう契約形態
参考:住民税と所得税の違い
これまで住民税の概要について解説しました。以下のようにまとめられます。
住民税とは
- 住民が居住地域に納める税金
- 都道府県と市区町村に納税(地方税)
- 税率は約10%で、平等に負担する金額(均等割※4,000円)と、前年の所得の額に応じて負担する金額(所得割※10%)から算出される
- 一年分の所得をもとに算出した金額を、翌年の勤務先の給与から差し引くことによって納税する(住民税の特別徴収)
- 副業分の住民税は、自分で納付(住民税の普通徴収)を選択できる
ここで一つ疑問が浮かびます。
- 所得税では副業はバレないのでしょうか。
-
結論、所得税では副業はバレません。
なぜなら副業により増えた所得に対する所得税は自分で納付しなければならないからです。
したがって、副業分で増えた所得税が勤務先を知る由はありません。
所得税の概要をまとめると以下のとおりとなります。
所得税とは
- 稼いだお金にかかる税金
- 国に納税(国税)
- 所得が増えるほど税率が段階的に高くなる累進課税(税率5~45%)
- 勤務先の給与から差し引くことによって納税する仕組み(所得税の源泉徴収)
- 原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに納税
- 年末調整・確定申告により、払い過ぎもしくは不足分の税金を調整する
- 副業分の所得税は、必ず自分で納付となる



所得税で副業はバレませんが、納税の義務があるため確定申告を忘れないようにしましょう
住民税 | 所得税 | |
---|---|---|
納税先 | 都道府県・市区町村 (地方税) | 国 (国税) |
納税方法 (本業分) | 本業給与から天引き (住民税の特別徴収) | 本業給与から天引き (所得税の源泉徴収) |
(副業分) | 納付方法(普通徴収・特別徴収) | 自身で選択可能自分で納付 |
納税タイミング | 前年の所得をもとに算出した金額を、翌年に納税 | 当年の所得をもとに算出した金額を当年中(副業分は翌年3月まで)に納付 |
税率 | 約10% | 5〜45% 累進課税 |
住民税で副業が疑われる仕組み
前述のとおり、
通常、住民税は本業の給与から天引きされて納付されます。
この納税方法のままにしておくと、本業の給与額に対して不自然に高い税額である場合、経理担当者などに「本業とは別の収入があるのでは?」と疑われるきっかけになるのです。
不自然に住民税が高くなるケース
例えば、副業の所得が400万円ある人と副収入がない人では、住民税が約40万円(月々33,000円程度)も違います。
副業でもしているのかな?



この人の給与でこんなに住民税が高くなるわけないんだけどな…
本業の給与に見合わない高い住民税を納付する必要があると、「この人、副業や別の収入源があるのでは?」と経理担当に勘づかれるわけです。
実際には「疑われる」だけで確定ではない理由
ここで重要なのは「あくまで勘づかれるだけ」であって、副業がバレるわけではないということです。
しかも「勘づかれる」可能性もそれほど高くありません。その理由は以下の3つです。
- 住民税で疑われるほど副業で稼げない
- 勤務先に知らされるのは住民税額だけ
- 住民税は「副業扱いとならない儲け」に対しても課税されるので、住民税が増えることは不自然なことではない
それぞれ詳しく解説していきます。
住民税で疑われるほど副業で稼げない
そもそも違和感を持たれるほど住民税が増えるのは、大金を稼ぐようになってからです。
副業で100万円を超える金額を稼げる人は極少数なのに、なぜか住民税のことを気にしてしまいがちです。
例えば、年間50万円の副業の所得であれば、住民税は5万円(月々4,200円程度)の増額です。
住民税5万円は「ふるさと納税」で適用される控除額程度なので、「ふるさと納税」の有無や扶養控除の変更などによっても変動する余地が十分あります。
以下は「副業の所得」と住民税額の年額と月額を表にしたものです。
副業の所得 | 増加額(年) | 増加額(月) |
---|---|---|
20万円 | 2万円 | 約1,700円 |
50万円 | 5万円 | 約4,200円 |
100万円 | 10万円 | 約8,400円 |
300万円 | 30万円 | 25,000円 |
500万円 | 50万円 | 約42,000円 |
1,000万円 | 100万円 | 約84,000円 |



副業当初は少なくともそんなに稼げない。その期間にバレないこと実感できるはず
勤務先に知らされる住民税の内容
会社が従業員の住民税を把握するのは、市区町村が毎年6月ごろに会社へ送る「特別徴収税額通知書」によるものです。
この通知書は、会社が適切に税務処理を行うことを目的に通知されるもので、各従業員の住民税額が記載されています。
ポイントとなるのは、この通知書に記載される事項は、住民税額(年額・月額)だけであって、所得区分や副収入の内訳は記載されないということです。
そのため、会社側が副業の存在を確定できるわけではなく、あくまで「疑い」にとどまるということです。
参考に地方税法に掲載されている「住民税決定通知書(事業主用)」の雛形を紹介します。
副業扱いにならない所得がある
住民税額が増えても、それをもって副業がバレるわけではありません。
その理由は、住民税は「副業扱いとならない儲け」に対しても課税されるもので、住民税が増えることは決して不自然ではないからです。
「副業扱いにならない儲け」の例としては、仮想通貨の取引やFX(外国為替証拠金取引)、不動産投資、競馬の払戻金等が挙げられます。
- 仮想通貨の取引
- FX(外国為替証拠金取引)
- 不動産投資
- ポイ活
- 競馬の払戻金 など
これらの副収入によって住民税が増えたからといって、副業禁止の観点で咎められることはありません。
※公務員の不動産投資は規模制限ありのため注意



住民税が増加すること自体は後ろめたさを感じる必要がないってことだよね
以上、3つの観点から、住民税の副業バレのリスク(疑われる可能性やそれを追求されるリスク)について解説しました。
次章では、住民税を原因とする副業の疑いを防ぐ方法を詳しく解説します。



極力、住民税の増加も知られたくないですよね
住民税を原因とする”副業の疑い”を防ぐ方法
確定申告で選べる住民税の納付方法
住民税による”副業の疑い”を回避する方法はとても簡単。
確定申告の「住民税・事業税に関する事項」で「自分で納付」にチェックを入れるだけ
これにより、副業分の住民税は自宅に納付書が届き、会社を通さずに納めることができます。



ちなみに本業給与分の住民税は、変わらず勤務先の給与から天引きされて納付されます
注意点は、給与所得の副業は「普通徴収」が選択できないこと。
しかも主たる勤務先の給与から徴収されます。
つまりパートやアルバイトの給与にかかる住民税は、本業の勤務先からの給与引き落としされるということです。
バレずに副業するなら、給与ではなく報酬として稼ぐアフィリエイトやYouTube、動画編集、転売・せどりなど、個人で行う副業としなければなりません。
副業の確定申告の必要要件
確定申告は以下のような場合に必要です。
- 給与所得者(会社員・公務員など)で、副業による所得が年間20万円を超える場合
- 医療費控除・ふるさと納税など控除を受けたい場合



確定申告は副収入が20万円を超えたときだけでいいんだよね?



間違いではないけど、それは所得税の観点なんだ
20万円以下でも住民税の申告が必要なので注意してね
確定申告の「20万円ルール」は、あくまで所得税の観点であって、住民税の観点では20万円以下でも申告が必要です。
20万円以下の場合の申告方法は各自治体によって異なりますが、おおむね申告書を役所の税務担当課に提出するだけで、確定申告とあまり変わりません
なお、副業の所得が20万円以下でも、ふるさと納税などの控除と一緒に確定申告で申請しても問題ありません。
副業の確定申告の手順
副業の確定申告の手順はシンプルなので、これを理由に副業を諦めるのは非常にもったいない判断です。
会社員や公務員では、「年末調整」によってある程度の申告作業が終了しているので、あとは副業分を申告するだけ。
事前準備
- マイナンバーカード
- 本業の源泉徴収票
- 副業の収入と経費を集計
- ふるさと納税などの控除証明書類
申告内容を入力
- 本業の源泉徴収票をもとに、本業の給与等の内容を入力
- 副業の所得(収入と経費)を入力
- ふるさと納税など各種控除の入力
- 住民税の納付方法で「自分で納付」にチェック
申請(申告)
- 申告期限までに提出
(通常は2月16日~3月15日)
納税
自治体から送付されてくる納付書を使い支払いをする
- 所得税は、通常3月15日が納付期限
- 住民税は、年4回に分けて納付
- 第1期:6月末ごろ
- 第2期:8月末ごろ
- 第3期:10月末ごろ
- 第4期:翌年1月末ごろ
所得区分を正しく理解して申告する
確定申告は、所得の区分によって課税方法(申告方法)と住民税率等が異なるケースがあります。
例えば、アフィリエイトやYouTubeなどの副業は、「総合課税」で税率10%ですが、不動産売却益の譲渡所得は、「分離課税」で税率は5%又は9%です
副業の所得区分によって申告方法が異なります。正しい区分で申告することで、不要なトラブルを避けられます。
副業別の所得区分
所得区分 | 主な副業例 |
---|---|
給与所得 | パート・アルバイトなど勤務先から給与を受ける副業 |
雑所得 | アフィリエイト、動画配信、せどり・転売、仮想通貨取引の利益など |
事業所得 | 事業規模で行う場合 アフィリエイト、動画配信、せどり・転売などを |
配当所得 | 株式の配当金 |
不動産所得 | 不動産投資の家賃収入 |
譲渡所得 | 不動産売買、株式売買 |
山林所得 | 山林の譲渡 |
一時所得 | 競馬等の公営競技の払戻金 |
退職所得 | 退職金 |
利子所得 | 預貯金の利子 |
なお、「雑所得」と「事業所得」の明確な基準はありませんが、事業性があると判断されるかどうかがポイントとなります。
つまり、副業の収益性や継続性などを総合的に勘案して事業と認められるかどうかが判断軸です。収益性の一つの基準としては年間300万円となります。
事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。 なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(資産(山林を除く。)の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する。
国税庁:法令解釈通達(令和4年10月7日)
総合課税と分離課税
- 総合課税とは
-
- 総合課税とは、他の所得を合計した総額に対して税率を適用して税額を算出する方法
- 住民税率は10%
- 分離課税とは
-
- 分離課税とは、他の所得と分離しそれぞれ特別な税率を適用して税額を算出する方法
- 住民税額は、事由により5〜10%と個別に規定されている
所得区分と課税方法
所得区分 | 総合課税 | 分離課税 |
---|---|---|
給与所得 | 本業・パート・アルバイト | |
雑所得 | アフィリエイト・動画配信、せどり・転売、仮想通貨取引の利益など | 先物取引の雑所得(FXの利益)など |
事業所得 | アフィリエイト、動画配信、せどり・転売などを事業規模で行う場合 | |
配当所得 | 株式の配当金 | 株式の配当金 申告分離課税を選択した場合 |
不動産所得 | 不動産投資の家賃収入 | |
譲渡所得 | 不動産売買、株式売買 | |
山林所得 | 山林の譲渡 | |
一時所得 | 競馬等の公営競技の払戻金 | |
退職所得 | 退職金 | |
利子所得 | 預貯金の利子 |
住民税で副業が疑われた際の言い逃れ
確定申告で住民税を「自分で納付」を選択すれば、副業バレは回避できますが、万が一確定申告で入力ミスをしてしまった場合のことも考えておきたいもの。
本業勤務先には、あくまで住民税額しか伝わらないため、副業扱いにならない「ポイ活」や「仮想通貨取引」「FX」の所得があるとすれば、言い訳の余地ができます。
このことを覚えておけば万が一の時に安心です。
住民税以外で副業が疑われる理由
副業バレで気をつけたいのは、住民税の増額だけではありません。以下の5点についても留意しましょう。
- 社会保険・税金の変化
- 口コミ・噂
- 目撃される・証拠が見つかる
- 疑われる行為が増える
- 違法行為・不正をして逮捕される
社会保険料・税金の変化
社会保険料と税金関係では、以下の3点に注意しましょう。
- 住民税の増額(前述のとおり)
- 副業の赤字申告(住民税の減額)
- 社会保険料の調整(給与所得のみ)
副業の赤字申告(住民税の減額)
住民税は、増額だけでなく副業の赤字申告による減額によっても疑われる可能性があります。
疑われるほどの住民税の減額(副業の赤字)となることは滅多にありませんが、副業バレが心配であれば赤字申告をしない方が無難でしょう。



赤字申告をしないと税金の還付は受けられませんが、それよりも副業がバレる方が嫌ですよね
社会保険料の調整(給与所得のみ)
給与所得の副業は、社会保険料の調整により会社に副業がバレる要因になります。
ダブルワークにより2か所から給与をもらう場合、健康保険料や国民年金は給与額に応じて按分しなければならないのです。
ここで本業と副業の勤務先間で社会保険料の調整することになり、ダブルワークしていることが明らかになります。
給与ではなく報酬として稼ぐアフィリエイトやYouTube、動画編集、転売・せどりなど、個人で行う副業であれば、社会保険料の調整はありません。



パートやアルバイト等の給与所得は、絶対に副業バレてしまいますね
口コミ・噂
SNSでの投稿や、知人の口から会社に情報が伝わるケースもあり、副業バレで最も多いケースがこれです。
- お酒の席での失言
- SNSやメールの誤送信
- 同僚や知人、ご近所さんとの会話
- 家族からの情報漏洩にも注意
なにげない会話やSNS投稿でうっかり副業の情報を漏らさないよう情報管理の徹底が大切です。
目撃される・証拠が見つかる
副業しているところを目撃されれば、当然副業していることがバレます。その他にも、副業と連想される証拠が見つからないように留意しましょう。
- 副業の現場を見られる
- 個人情報から見つかる
- 本名での活動(SNSのアカウント名等)
- 特商法の記載事項
- 古物商の記載事項
- 写真・映像に映る
- スマホ・PCを覗かれる
- 会社支給のパソコンのログ
- メール・LINEの誤送信
- スマホ・SNSの設定
- 副業グッズや手帳、書籍の置き忘れ
副業用のSNSアカウント名とスマホ・PayPayなどのアカウント名を同一としていたら、画像共有やPayPay送金などで副業用アカウントがバレて、結果的に副業がバレてしまった、といった事例があるようです。
SNSの電話帳連携やアドレス連携などでも知人が副業用アカウントと連携してしまう恐れがあるので、スマホ・SNS設定にも気を付けましょう。
プライベートと副業を明確に区別して運用することが重要です。
疑われる行為が増える
以下のような事由によって、副業を疑われる可能性があります。
- 睡眠不足や過労により、本業のパフォーマンスが落ちる
- 勤務中、不自然と思われるほど離席が多くなる
- お金の使い方が変わる
バレずに副業するからといって勤務先に迷惑をかけて良いわけではありません。
勤務中の副業は職務専念義務違反なので絶対NGです。体調管理や時間配分にも気を配りましょう。
違法行為・不正をして逮捕される
副業をきっかけに逮捕されれば、勤務先に副業がバレてしまいます。過去には以下のような逮捕からの副業バレの事例があります。
中学校教員×動画投稿
2023年11月
アダルトサイトにわいせつ動画を投稿し、不特定多数の人が閲覧できるようにしたわいせつ電磁的記録媒体陳列の疑いで逮捕された。
(処分内容は不明)
県警のサイバーパトロールで発覚
どのような副業においても法令遵守を徹底し、誠実に行いましょう。
副業と住民税に関するQ&A
この章では、副業と住民税に関する「よくある質問」をFAQ形式で解説します。
副業していないのに住民税が高くなったのはなぜ?
退職金や保険金の満期、競馬の払戻金などがあった場合も、住民税が高くなることがあります。
必ずしも副業が原因ではありません。
従業員向けの税額通知書でバレることはないの?
税額通知書は、会社用と個人用のいずれも会社に送付されます。
ただし、個人の所得は会社が知る必要のない情報であるため、プライバシー保護の観点から秘匿措置を講ずるよう、総務省から各自治体へ通知されています。
通知書に保護シールや圧着式などの秘匿措置が講じている自治体であれば、個人用の住民税決定通知書の中身を会社に見られることはありません。
役場のミスにより、間違えて特別徴収されることはない?
確定申告を電子申請で行えば、役場の手続きミスが発生するリスクは考えられません。
心配する必要はないでしょう。
手渡しの副収入でも副業はバレる?
副業の形態を問わず、住民税に影響が出れば疑われる可能性はあります。
なお、副収入を受領した側で隠そうとしても、支払う側の税務報告により、手渡しの収入が明るみに出る可能性があります。
そもそも副収入を隠す行為は脱税と捉えられる恐れもあり、バレたら逮捕の可能性がある悪質な行為です。
誠実に申告した方が良いです。
確定申告をしなければバレないの?
確定申告を怠ると、税務署から問い合わせや追徴課税を受けるリスクが高まります。
バレないどころか、逆に問題が大きくなるので必ず申告しましょう。
副業の勧め
バレずに副業しようと思っても、勤務先の「副業禁止規程」が気になるもの。
しかし、副業禁止規程があっても副業OKとした裁判例や、副業禁止に抵触しないお金の稼ぎ方もあります。
以下で紹介します。
副業禁止でも副業OKとした判例
副業禁止でも副業OKとした判例を紹介します。
合理的な理由がない限り副業は許可されるべきであって、仮に無許可で副業して就業規則に形式的に違反したとしても、本業に悪影響を及ぼさなければ、実質的には就業規則違反にならない!といった見解がなされています
2008年の裁判では、
プライベートの時間の副業であれば、例え副業許可制に形式的に違反したとしても、本業の勤務先に悪影響がない程度の副業であれば、副業禁止の就業規則には実質的に違反していないものと解釈すべき。
と判決されています。
東京都私立大学教授事件(東京地判平成20年12月5日)
出典:厚生労働省:副業・兼業に関する裁判例
さらに、別の裁判では、
合理的な理由がない限り、プライベートの時間に副業することは許容されなければならない
と判決されています。
マンナ運輸事件(京都地判平成24年7月13日)
出典:厚生労働省:副業・兼業に関する裁判例
”プライベートの時間に何をしようがその人の自由でしょ!”ということです。
この裁判例は厚生労働省(行政のトップ機関)が公表しています。



国の副業推進の並々ならぬ想いが伝わってきますね



日本国憲法では「職業選択の自由」が保障されていますから



最高法規である日本国憲法に反する制限をかけるには、合理的な理由が必要なんだね
なお、副業を禁止する合理的な理由には、
- 本業への支障
- 企業秘密の漏洩防止
- 競合企業での勤務
- 公序良俗に反する行為
などがあります。
副業する場合は、上記の本業への悪影響がないよう注意しなければなりません。
ちなみに、公務員の無許可での副業は法律違反となりますが、その処分内容は4段階の中で1番もしくは2番目に軽い処分となります。
公務員の懲戒処分は「戒告・減給・停職・免職」の4段階
「なぜ無許可の副業が軽い処分なのか」というと、”申請を怠っただけ”とみなされるからです。重い処分が科されるのは、信用失墜行為や職務専念義務違反などの他の要素が含まれている場合となるようです。
人事院>懲戒処分の指針について
(10) 兼業の承認等を得る手続のけ怠
営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った職員は、減給又は戒告とする。
バレない副業ランキング
過去の判例の後押しがあったとしても、無許可の副業がバレた場合は、上司にグチグチ言われたり、働きづらくなったりすることが考えられます。
副業はバレないに越したことはありません。
バレない副業の条件は以下の3つです。
- 個人情報を開示しない
- 顔出し・声出し不要
- 給与所得以外の副業
- アフィリエイトブログ
-
- 匿名×顔出し不要で運営可能
- 収益記事を雪だるま式に増やせる
- 月収10万~100万円超も狙える
- 成果が出るまで時間がかかる
- Whois情報の公開設定に注意
- Webライター
-
- SNS運用
-
- デジタルコンテンツ販売
-
- 匿名×顔出し不要で運営可能
- ストック型で収益化できる
- 月収10万~100万円超も狙える
- 成果が出るまで時間がかかる
- 動画編集
-
- Youtuber(動画投稿)
-
- 匿名×顔出し不要で運営可能
- 収益動画を雪だるま式に増やせる
- 月収10万~100万円超も狙える
- 成果が出るまで時間がかかる
- 投稿の継続が必要
- 声出しでバレた事例あり
- プログラミング・Web制作
-
- 転売・せどり・フリマアプリ
-
バレてもOKのお金の稼ぎ方12選
法律で副業が制限される公務員は、バレてもOKのお金の稼ぎ方を考慮した方が良いでしょう。
以下に、副業禁止でも無許可でできるお金の稼ぎ方12選を紹介します。
- 家業の手伝い(無報酬)
-
- ポイ活(ポイント活動)
-
- 副業扱いとならない方法がある
- 知識・経験不要のかんたん作業
- 月収3万円も目指せる
- コツコツ作業が必要
- 大金は稼ぎにくい
- 不用品の売買
-
- 不動産投資
-
- 不労所得でFIREを目指せる
- 家賃収入と売却益を狙える
- ローン負担は家賃で相殺できる
- 公務員は規模制限があり
- 初期費用がかかる
- リスク管理が必要
- 参考記事:不動産投資と副業バレ
- 株式投資
-
- 仮想通貨・暗号資産
-
- FX
-
- スマホ一つで売買できる
- 24時間取引可能
- 継続的に稼ぐ人もいる
- 短期取引は心身が疲弊しやすい
- 投機的な取引になりがち
- 再現性が難しい
- 参考記事:FXと副業バレ
- その他、投資信託など金融資産の運用
-
- NISAで税金がかからない
- 長期の資産運用に向いている
- 知識不要で始めやすい
- 株価暴落への備えが必要
- 参考記事:NISAと副業バレ
- 農業、牧畜、酪農、果樹栽培等
-
- 健康・体調面の充実
- 直売やネット販売で収益化
- 定年後のライフワークに繋がる
- 公務員は規模制限あり
- 天候の影響が大きい
- 体力面で負担がある
- 参考記事:農業と副業バレ
- 治験
-
- 収益化までの作業
-
- 実質、誰でもできる
- アフィリエイトやYouTubeも可能
- スキル・経験を試す場となる
- あくまで収益化前の段階まで
- お金を稼ぐと副業扱いとなる
- 参考記事:収益化までの作業
- ”単発”で報酬を得ること
-
- 単発の報酬はOK(公務員規程)
- スキル・経験を試す場となる
- 収益化を試す場となりえる
- 安定収入にはならない
まとめ|正しい知識と対策で副業リスクを回避しよう
「住民税で副業がバレる」というのは誤解で、実際には「住民税額の増加をきっかけに疑われる」に過ぎません。
副業を続けるには、普通徴収の選択や正しい申告、そして本業の勤務先へ迷惑をかけないことが重要です。
正しい知識と対策を身につけて、安心して副業ライフを送りましょう。